~ITコンサルタント養成講座~
第12回講座 「経営戦略論―ランチェスターの戦略1」
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガは
シリーズになっており、今回はその第12回です。
前回は「経営戦略論-コトラーの戦略」で、経営観のための「経営判断の基礎知識」の
ひとつをご紹介しました。 そこで今回は経営観のための「経営判断の基礎知識」の第
2段としてランチェスターの経営戦略論を取り上げます。
ランチェスター戦略はランチェスター協会の田岡信夫氏(故人)によりマーケティング
戦略として開発されました。もともとは、イギリスの技術者F.W.ランチェスターが
第2次世界大戦時の空中戦研究から生まれたものです。田岡氏はこの研究をマーケティ
ングに転用して理論化しました。理論の基本は「マーケットシェア(市場占有率」です。
ランチェスター戦略では“マーケットシェアはマーケットシェアが10%上がると利益
率が5%アップする“と言います。
その背景は、マーケットシェアが上がると市場の認知度(またはブランド力)が上がり
ますので、販売努力がより少ない力で売上向上が見込めます。したがって、販売経費が
少なくて済むようになります。
また、生産工程においても多く生産するようになると、習熟度が上がりますし、材料
の購入ロットもまとめが可能になり、労務費、材料費の低減が図れて、製造コストが減
少することになります。売上が上がって、コストが低減しますので利益が上がり、利益
率も向上することになります。
すなわち、マーケットシェアを高めれば企業の収益は向上することになりますが、
“100%までマーケットシェアを高めなければならないのか”という疑問が残ります。
ランチェスター戦略ではその疑問を実態分析からそのシェアに目標値を設定し、マーケ
ットシェアと市場地位の関係を整理しました。
この戦略ではマーケットシェアの地位をマーケットシェア目標値から3段階、「上限目
標」「相対的安定」「下限目標」で設定しています。
(1)上限目標値:マーケット市場の73.88%を占有する状態で、「独占状態」と
いわれます。 独占とは市場から商品や価格を選択できにくい状態を言います。したが
って、独占状態の企業は良さそうに見えますが、この目標値以上の独占状態は逆に市場
の反発を招くことも想定されます。マーケットシェアにも占有すべき上限があると言っ
ているわけです。マーケットシェアもある程度の競合状態を残すことが必要です。
(2)相対的安定:マーケット市場の41.7%を占有する状態です。マーケットシェ
ア1位のための当面の目標となります。2位以下の企業が連合すれば、シェア1位を獲
得し1位の企業と逆転できる状態です。自動車業界における2002年の国内販売台数
シェアはトヨタ42.2%、日産18.5%、ホンダ15.2%、その他24.1%(2
003/7/26東洋経済)です。トヨタの位置づけがこの状態にあります。
(3)下限目標:マーケット市場の26.12%を占有する状態です。シェア1位を目
指す初期目標となります。シェアトップほどではないが、ブランドはかなり浸透しシェ
ア拡大の礎ができた状態です。シェア争いは決定していません。コピー業界におけるキ
ャノン、リコー、富士ゼロックスが各社30%から20%の状態で各社ともにこの状態
にあります。
第12回はここで終了します。ランチェスターの経営戦略論の第1回ではマーケットシ
ェアと市場地位の観点に焦点を当てました。 次の第13回では市場の占有率すなわち
マーケットシェアを向上するための方策「経営戦略論―ランチェスターの戦略2」を取
り上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
http://www.ism-research.com/
グローバルナレッジネットワーク(株)経営関連およびITC講座担当講師
dge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=2&DCODE=21
(株)富士ゼロックス総合教育研究所 ITコンサルタント講座担当講師
http://www.itc-pro.com/multi/gaiyou3.html
(注)バックナンバーをご覧になる方は次のUMLをご参照ください。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
