~ITコンサルタント養成講座~
第35回「キャッシュフロー分析-2」
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガは
シリーズになっており、今回はその第35回です。
前回はキャッシュフロー分析での短期資金計画を取り上げました。
今回は、キャッシュフロー分析でのもう一方の資金計画である中期資金計画を取り上
げます。
中期の資金計画はB/S(Balance Sheet:貸借対照表)を用いて年度別の正味運転
資金の資金繰りの計画です。そのために、まずB/Sの見方を整理しておこうと思い
ます。
(1)P/LとB/Lの関係
企業の営業活動の成果は期末に作成されるP/L(Profit&Loss:損益計算書)によ
って、売上、経費、利益として把握されます。このP/L二反映される活動は売上
を上げ、利益を上げていく活動であり、最終的に企業の財産(キャッシュに換算で
きる持ち物)を増やす活動と言えます。この財産が増えた状態は期末にP/Lの利
益分としてB/Sの資産という財産の増加として表示されることになります。
(2)B/Sは財産状態を表す
貸借対象表には3つの財産状態が表されています。
企業が所有しているものの中で現金や預金で代表される“お金”、商品や固定資産で
代表される“もの”、売掛金や受取手形などの“債権(お金回収の権利)”といった
「資産」、商品の仕入や銀行からの借入金など相手にお金を支払う義務(債務)があ
る「負債」、株券発行による資本金や利益に代表される利益剰余金で構成される自分
のお金である「資本」があります。
(3)正味運転資金とは
中期資金計画ではこの財産状態を用いて正味運転資金を捉えます。
正味運転資金とは自由に営業活動に使用できる余裕資金であり、正味運転資金=流
動資産-流動負債 で表します。
ここでいう「流動資産」とは商品の販売や現金回収の権利を行使することにより“1
年以内に現金化できる資産”をいいます。たとえば、現金、預金、売掛金、商品な
どの資産がこれに該当します。
一方、「流動負債」は商品の仕入れや支払い義務を実施することで“1年以内に支払
いが発生する負債”を言います。たとえば、買掛金、借入金などの負債がそれに当
たります。
正味運転資金はこれらの資産と負債の差ですから、その差がプラスになるとすると、
1年の現金収支ではそのプラス分だけ資金余裕が出たことを表していることになり
ます。
すなわち、正味運転資金が増大するということは経営活動における資金繰りを豊か
にして行くことですから、“不渡り”という倒産要因も減少することになります。
中期の資金計画は中期目標に対する営業活動の成果であるP/Lから予定される各
年度のB/Sを作成し、正味運転資金がプラスになるように計画することで、計画
が出来上がります。
この正味運転資金の余裕度を見るのに「流動比率」を使用します。
流動比率は流動比率=(流動資産/流動負債)*100で表され、流動負債に対す
る流動資産の倍率を見ています。
一般に、流動比率は120%以上が望ましく、すなわち20%回収が減少しても資
金の辻褄の合う状態であり、健全な企業活動を営むのに必要な資金的な余裕度とい
われています。
資金繰りに関して述べてきました。キャッシュの重要性はお分かりになったと思い
ます。
第35回はここで終了します。今回はキャッシュフロー分析での中期資金計画を取り
上げました。
次回は、キャッシュフロー分析での投資対効果の算定法の1つであるDCF法(Discount
Cash Flow:ディスカウントキャッシュフロー)を「キャッシュフロー分析-3」で取り
上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
http://www.ism-research.com/
グローバルナレッジネットワーク(株)経営関連およびITC講座担当講師
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=2&DCODE=21&SCODE=17
(株)富士ゼロックス総合教育研究所 ITコンサルタント講座担当講師
http://www.itc-pro.com/multi/gaiyou3.html
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