~ITコンサルタント養成講座~
第50回「モニタリング-その5」
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガはシリーズに
なっており、今回はその第50回です。
これまでの4回では「モニタリングの意味」、「モニタリングの範囲」そして「モニタリング指標、目標
を設定するときの考え方」を取り上げました。
今回は、モニタリングの締めくくりとして「モニタリング-その5」でモニタリング指標の作り方を
考えて見ようと思います。
モニタリングの指標には経営施策の業績目標としての成果指標としてのKGI(=Key Goal
Indicator)とその目標を成し遂げるためのプロセス指標としてのKPI(=Key Performance
Indicator)がありました。この指標化の手法としてはバランス スコアカードを使用します。
この手法では4つの視点「財務の視点」、「顧客の視点」、「内部業務プロセスの視点」、「学習と
成長の視点」をもとに指標化を進めます。
前段のメルマガ「経営戦略のメソドロジー」で解説していますが、その手順を復習しながら話を進
めていきます。
成果目標としてのKGIは業績目標としての売上、利益、コストなどが対象となりますので、指標と
してのKGIの設定は比較的に簡単です。
たとえば、業績目標として「3年後の利益100億円」と設定したとしますと、KGIはその利益額
に達成するための売上高利益率、利益額伸び率、売上高コスト比率などが指標として設定
されることになります。バランス スコアカードでは「財務の視点」の目標です。
一方、KPIは業績目標である利益100億円を達成するための経営施策の達成目標としての
プロセス指標ですから、一般的に計数として表されたものではありません。この経営施策の
達成目標を定義し、KPIとして指標化する作業が必要になります。
たとえば、業績目標に対する経営施策として、
◆「顧客の視点」は“商品の品質の向上”、“商品の低価格化”などがあり、
◆「内部業務プロセスの視点」では“作業プロセスの標準化”、“納品リードタイムの短縮”、
◆「学習と成長の視点」での施策として、“システムコンサルの育成”、“技術情報共有の
強化”
等が策定されたとした時、KPIの指標は“如何にして/何を”設定すればよいのでしょう。
指標化の基本原則に「費用対効果の原則」と「成果測定性の原則」がありましたので、この
原則に準拠して作成してみましょう。そうすることで、成果測定性の指標を志向することが
できるようになります。
バランススコアカードの4つの視点での財務の視点の施策は直接的に指標の設定が出来易
いものでした。残りの3つの視点の施策の指標化を見ていこうと思います。
まず、顧客の視点の施策から進めることにします。
◆ “商品の品質の向上”、“商品の低価格化”
指標としてすぐ思いつくのは、欠陥率や価格低下率ですが、顧客の視点での指標には
なっていません。むしろ、内部業務プロセスの視点の指標のようです。
顧客の視点で見ると、品質がよくて安い商品であれば販売個数が増加するはずですから、
この指標は“商品販売数量の増加率”の方がより適切と思われます。
このように、直接的な設定では適切な指標設定が困難な場合、経営施策の達成した状態
を想像して、代替の計数可能な指標を創造し、設定します。
次は内部業務プロセスの視点です。
◆ “作業プロセスの標準化”、“納品リードタイムの短縮”
★ “作業プロセスの標準化”も標準化率のような指標が想起されますが、費用対効果の
原則を使えば、標準化率という直接的な視点よりも、そのことによって何の効果があるか
(=その施策を達成した状態)に焦点を当ててみます。そうすると、標準的に、効率的に
作業が進むわけですから“商品単位原価率”や“正味作業生産性”などが想起できます。
これらの指標は業務遂行の中で計数の収集が出来ますのでより適切な指標となります。
★ “納期リードタイムの短縮”の施策は“納期リードタイム遵守率”がすぐ発想できます。
この指標自体は費用対効果と成果測定製の原則と測定製の原則にそのまま則って
いますのでそのまま設定が可能です。
最後に、学習と成長の視点の施策を取り上げます。
◆ “システムコンサルの育成”、“技術情報共有の強化”
★ “システムコンサルの育成”の指標として“システムコンサル要員教育人数”などが良く
出てきますが、成長したか否かの状況が具体的に把握できません。
どちらかといえば、システムを主導的に導入したコンサルの比率を捉えた“システム導入
コンサル要員数”のほうが、基本原則にも沿った指標となります。
★ “技術情報共有の強化”の指標は、費用対効果の原則の観点で捉えると、この情報を
使用して提案数が増大した“提案書件数の増加率”や新技術情報を活用した提案による
受注としての“新技術サービス受注比率”などが妥当な指標として発想できます。
第50回はここで終了します。モニタリング指標の作り方を取り上げました。
次回は、情報戦略策定のメソドロジーに入ります。その初回は「戦略情報化メソドロジーの体系」で
企業の経営システム作りのベースツールの全体像を取り上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
http://www.ism-research.com/
グローバルナレッジネットワーク(株)経営関連およびITC講座担当講師
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=2&DCODE=21&SCODE=17
(株)富士ゼロックス総合教育研究所 ITコンサルタント講座担当講師
http://www.itc-pro.com/multi/gaiyou3.html
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