~ITコンサルタント養成講座~
第90回「経営施策策定-1 バランススコアカードとは?-その2」
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガはシリーズに
なっており、今回はその第90回です。
75回で紹介させていただきましたが、74回まで配信しました経営戦略と情報戦略の知識を用いてITベンダーのITコンサルとして戦略策定を指導するプロセスをストーリーとして組み立てていきます。私の立場は悩みと工夫のITコンサルタントです。
プロジェクトチームの事業部長の山田氏、営業課長の中川氏、SE課長の上野氏との対話で進めていきます。
メンバーはすべて当メルマガの愛読者の方々です。ただ、実践は初めてです。
「バランススコアカード」の復習のつづきが行われてます。
山田氏:バランススコアカードのバランスとは外向きの施策と内向きの施策のバランスのことで
したか?
私 :そうです。もう少し補足しますと、企業の経営活動にはその企業体力でのバランスの
保てた状態でないと収益を上げることが出来ません。そのための施策のバランスです。
上野氏:その意味は営業力が強くて、受注をたくさんとってきても、SEや技術力が無いと
オーバーワークになって問題が発生したりして、収益が食い潰ぶされるようなことですか。
私 :逆も真なりですね。経営活動を行う上で業務プロセス上でのバランスが崩れますと、ムダ
やムリが出て、収益を損なってしまうことになります。
山田氏:それはそうですね。企業機能のバランスが取れるように、且つ競争優位を保てる施策を
策定すべきですね。
ただ、内向きの施策で「内部業務プロセスの視点」、「学習と成長の視点」でも何か発想
するためのメタデータが必要ですね。
中川氏:そうですよね。提案型営業の出来るスキルとか、商品配送の仕組みやお客様相談窓口
の仕組みなどありますが、メタデータがナイト漏れが出そうで怖いですね。
上野氏:中川さんの言うのをまとめますと、ここでの「スキル」というのは、学習と成長の視点の施策でしょう。「商品配送の仕組み」とか「お客様相談窓口の仕組み」などは内部業務プロ
セスの視点で良いと思いますが、
中川氏:言っている意味は顧客の満足を上げるために顧客に接した業務はだから「内部業務プロセスの視点」で、スキルはそのプロセスの質を上げる要因だから「学習と成長の視点」ということかな。
私 :良い議論ですね。ポイントを突いてますね。それでは、メタデータを作ってみましょうか。
「内部業務プロセスの視点」は顧客の満足度を上げる競争優位に立てる業務の仕組み
づくりですから競争優位となる差別化プロセスでないといけません。
上野氏:そうそう、思い出しました。差別化理論!
競争優位に立つための差別化には「製品・サービスの差別化」、「顧客関係・維持の差別化」、「オペレーション効率化の差別化」がありましたね。
中川氏:顧客の視点の指標を目標に内部業務プロセスの視点の施策を差別化の施策として捉
えるということかな?
山田氏:両方の視点のメタデータを合わせてみると、顧客の視点の「品質」、「価格」、「納期」、「機能」などは内部業務プロセスの「製品・サービスの差別化」の施策でカバーできそうですね。
同様に「サービス」や「リレーション」、「ブランド」は「顧客関係・維持の差別化」の施策、「オペレーション効率化の差別化」の施策は「価格」と「納期」をカバーしそうですね。
上野氏:ようやく分かってきた。ところで、「学習と成長の視点」ではどんなメタデータになります
か? 「スキル」が入ってくることは分かるのですが。
私 :内部業務プロセスの視点の施策を遂行するための「スキル」、すなわち、「従業員の業務
遂行のコンピテンシー」向上の施策が一つの視点。そのほか、情報の伝達や共有により
業務支持の迅速化や業務遂行の効率化を図るための「ITインフラ整備」の施策、リーダーシップによる「競争力を育む風土や文化の醸成」の施策などがあります。
山田氏:施策展開のメタフレームは理解できたので、施策を作ってみましょう。
みんな:了解。
第90回はここで終了します。今回は「内部業務プロセスの視点」と「学習と成長の視点」の討議でした。
次回は、事業施策の展開を「経営施策策定-2 事業施策展開」として取り上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
E-mail: inouemas@axel.ocn.ne.jp
(後記)EA(Enterprise Archtecture)を使った電子政府の最適化の計画の話の続きです。e-Japanの「IT政策パッケージ-2005」では2006年度から中央省庁の共通業務の開発・運用が始まり、2005年度内に地方自治体の業務・システムの共同化の取り組み体制の整備が打ち出されてi
います。いよいよ、県、市町村レベルでのEA展開になってきます。大企業もEAの採用検討をしているところが多いと聞いています。いよいよITCで身につけられたメソドロジーが標準になってくるのではないでしょうか。
興味のある方は経産省作成のEA設計のガイドライン「業務システム最適化計画ガイドライン」を下記のURLで参照してみてください。
→ http://www.e-gov.go.jp/doc/20050202doc.pdf
(注1) マグマグバックナンバーをご覧になる方は次のUMLをご参照ください。
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グローバルナレッジネットワーク(株)経営関連およびITC講座担当講師
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=2&DCODE=125&SCODE=17
(株)富士ゼロックス総合教育研究所 ITコンサルタント講座担当講師
http://www.itc-pro.com/multi/index.html
