~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガはシリーズに
なっており、今回はその第98回です。
75回で紹介させていただきましたが、74回まで配信しました経営戦略と情報戦略の知識(基礎知識編をお持ちでない方はこのメルマガの終わりの注記をご覧ください。)を用いてITベンダーのITコンサルとして戦略策定を指導するプロセスをストーリーとして組み立てていきます。私の立場は悩みと工夫のITコンサルタントです。
プロジェクトチームの事業部長の山田氏、営業課長の中川氏、SE課長の上野氏との対話で進めていきます。
メンバーはすべて当メルマガの愛読者の方々です。ただ、実践は初めてです。
今日は、昨日の経営管理指標化の作成原則を基に「顧客の視点」の施策から指標化を検討・討議中です。
山田氏:指標化の作成原則は「計数化できること」、「ビジネスプロセス上で収集できる」、そして「費用対効果が分かること」かな。
中川氏:この3つの原則を当てはめて考えてみましょう。えーと、顧客の視点の施策は上位施策が「顧客満足度の向上」、下位施策は「顧客内部門取引シェア向上」、「保守サービス契約の増大」でした。上位施策はやりましたので、下位施策の「顧客内部門取引シェア向
上」からです。
(注)顧客内部取引シェア:顧客の部門数に対する取引部門の数の比率
上野氏:この管理指標は顧客内シェアを目標とし、顧客内シェア比率で良いと思いますね。3つの原則を満足しています。
「保守サービス契約の増大」もそんなに難しくありませんね。年間保守契約数を目標にし、年間保守契約増加率を指標とすればいかがでしょう。
山田氏:おー、いいじゃないか。意外と簡単だな!
中川氏:そうでもないんじゃないかな? 内部業務プロセスの視点の施策は指標化には難しそうなのが並んでますよ。
私 :中川さん、良い感覚されてますね。以前、申し上げたかもしれませんが、「財務の視点」と「顧客の視点」の施策は事業目標の施策なのですね。「内部業務プロセスの視点」と「学習と成長の視点」の施策は投資施策ですから、目的が明確にならないと指標が見えてきません。
上野氏:つまり、施策の達成状態を想定して代替指標を設定するということですね。
施策には「契約社員のITスキル育成」、「2WayWeb取引コミュニケーションシステム構築」、「IT保守ヘルプデスク強化」などがありますね。
(注) 2WayWeb取引コミュニケーションシステム:インターネットによる納期確認、商品紹介、見積り等が双方向で出来るシステム
中川氏:「契約社員のITスキル育成」は研修出席カバー率で良いのかなと思いますが、
上野氏:それじゃ、効果が見えませんよ。出席率を上げればどんな効果が上がるかを設定しないと指標として有効ではないですか。たとえば、スキル育成したときの状態である目的を考えると導入生産性や納期遵守率などが良いのではないでしょうか。
山田氏:そうだよな。効果の見えない指標を設けても管理していて嫌になり、本人のモラルも上がらないからな。
上野さん、「2WayWeb取引コミュニケーションシステム構築」、「IT保守ヘルプデスク強化」の管理指標はどう考える。
上野氏:そうですね。「2WayWeb取引コミュニケーションシステム構築」の施策は現在大手の得意先と1社と一部の機能を実施している状況です。この仕組みはお客様に喜ばれていますし、弊社のお客にすべて広がるようにするとお客様の満足度は向上しますよね。
とすれば、このシステムを利用したいというお客様の参加がポイントですから「当サービス顧客参加率」としたらいかがでしょうか。
中川氏:私にも意見を言わせてくださいよ。施策「IT保守ヘルプデスク強化」の管理指標はお客様とSLA(Service Level Management)契約を結んでますね。だから、この「SLAの遵守率」としてはいかがですか。後は営業的ですが、どれだけIT購入のお客様に保守契約を結んでいただけるかの「年間契約顧客率」でしょう。
山田氏:オッ、意外と論理的な意見!
中川氏:意外とは何と言うことを・・・(ムットする)
山田氏:ごめん、ごめん
私 :皆さん、完璧。 じゃ、学習と成長の視点の施策の指標化を見ていきましょう。
第98回はここで終了します。
今回は顧客の視点と内部業務プロセスの視点での事業施策の経営管理指標化の論議でした。
次回は、学習と成長の視点の指標化の作成を行います。「経営管理指標の作成 学習と成長の視点の指標」を取り上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
http://www.ism-research.com/
(後記)先日、BSCの吉川教授のセミナーに出席してきました。先生のセミナーは4年振りなのですが、かなり改善されているように思いました。戦略マップのお話から紹介します。
戦略マップ作りでは、まず「財務の視点」から「顧客の視点」⇒「内部業務プロセスの視点」⇒「学習と成長の視点」へと上位から順次展開して、戦略目標を作る。
その後、下位の「学習と成長の視点」から「財務の視点」までの戦略目標の論理性を“Why、Because”で遡って確認する。 納得しました。
そこで、関連の質問をしてみました。
“戦略マップの戦略目標はバリューチェーン(事業サイクル)での確認は必要ありませんか?”
答えは、“その見方での検証も必要と思えば、やるべきでしょう。”
戦略マップのバリューチェーンの見方と言うのは、この講座で言うとインフルエンスダイアグラム(慶応大 国領教授の紹介)です。
(注1) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
基礎知識を集大成しています。
ISMリサーチが提供します絵入り解説で提供しています。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注2)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバーから入手することも可能です。
こちらを参照 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注3)ITC補資格を取得したい方は「ITコーディネータ補試験想定問題集」がお役に立てればと
思い準備しました。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-3.htm
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