~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。このメルマガはシリーズに
なっており、今回はその第102回です。
75回で紹介させていただきましたが、74回まで配信しました経営戦略と情報戦略の知識(基礎知識編をお持ちでない方はこのメルマガの終わりの注記をご覧ください。)を用いてITベンダーのITコンサルとして戦略策定を指導するプロセスをストーリーとして組み立てていきます。私の立場は悩みと工夫のITコンサルタントです。
プロジェクトチームの事業部長の山田氏、営業課長の中川氏、SE課長の上野氏との対話で進めていきます。
メンバーはすべて当メルマガの愛読者の方々です。ただ、実践は初めてです。
今日は事業の投資効果を損益分析で見る手法の議論をしていました。
山田氏:事業計画はP/Lの視点で収益を捉えるのが基本だから、投資対効果も、まず損益で分析するのが良いですね。
(注)P/L:Profit&Loss(損益計算書)
中川氏:ちょっと整理させてください。今までの話からすると、投資対効果は“投資により発生する費用を何時までに売上で回収できるか”、と“投資金額を何時までに現金で回収できるか”の2つの判断視点があるということですね。
山田氏:その通りです。投資に対する発生費用と売上の分析手法としては、投資を固定費と変
動費で見る損益分岐点分析(B.E.P:Break Even Point)がありますよ。
中川氏:変動費は売上高に比例する費用と習いましたね。とすると売上高は投資による売上高の増加分と捉えれば良いと思うのですが、これが投資対効果とどう関係するのですか?
上野氏:今回の投資はコンピュータ等の設備、事務所の借用、要員の増強ですから、投資の費用は設備の減価償却費、事務所の家賃、要員の人件費が投資の主な費用となります。
中川氏:これらの費用はみんな年度で固定の費用になるから、固定費だな。
そうか!投資は固定の増加ってこと!!
山田氏:そういうことですね。良く出来ました。投資効果を損益分析でみるということは、一定期間での固定費の累積を売上増の累積で如何に多く回収できるかを判断基準とするんだよ。
上野氏:つまり、一定期間を3期分とすると、固定費の増分がこれからの1期、2期、3期目でそれぞれ500万円、300万円、200万円としたとき、累積の費用は1000万円になりますね。これに対し、3期までの売上増の累積が1200万円の事業と1500万円の事業があった場合、1500万円の事業の方が投資対効果が優れていると判断するということですね。
山田氏:その通りですよ。
中川氏:上野さんに数字を挙げてもらってはじめて分かった。私、観念的な議論は苦手。
私 :損益分析による投資対効果分析はこれで良いでしょう。事業計画としては必要な分析ですね。しかし、現在はDCF法による投資対効果分析が主流になってきていますね。
山田氏:トップからも指示がありましたよ。個々の投資に対する投資対効果の判定にはこのDCF法による算定法が義務付けられました。
(注)DCF:Discount Cash Flow(現在価値法)
第102回はここで終了します。
今回は「投資対効果 損益分岐点分析」として損益分析による投資効果の手法の論議でした。
次回は、事業の投資対効果をキャッシュフロー判断で捉える「投資対効果 DCF法」を取り上げます。
ISMリサーチ代表 井上正和
http://www.ism-research.com/
(後記)アスキー社からアスキービジネス(今年8月より創刊)が月刊誌で発行されていまして、その中の記事で「IT担当者もこれだけは知っておきたい 経営ビジネス用語」と「これだけ分かれば要求定義書が書ける! ITシステム用語」を担当しています。中堅の企業の情報システム部で中堅社員向けです。11月号の記事は「バランススコアカード」と「オブジェクト指向設計」でした。各記事1ページで絵つきでたとえ話での解説が条件です。素人でも分かるたとえもありますが、最新の知識で書いている気がします。
このメルマガや記事を書いていていつも感じることですが、昔の自分の記事(数ヶ月前でも)は見るのも嫌になるくらい時代錯誤を感じてしまいます。やはり、今の作品が新しいものを感じて最新の知識が反映されてしまいます。
皆さんは、いかがですか?
(注1) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
基礎知識の集大成。
ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注2)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバーから入手することができます。
こちらを参照 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注3)ITC補資格を取得したい方は「ITコーディネータ補試験想定問題集」がお役に立てればと
思い準備しました。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-3.htm
(注4)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
