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  • 第117回「電子政府プロジェクトの目的と役割」

    ~ITコンサルタント養成講座~

    皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Architecture)を取り上げています。
    EAは日本が最初に公的に発表したソフトエンジニアリングと思っています。昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しましたし、現在もしています。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
    今日はEAメルマガの第6回です。

    ここから、申し上げるEAとは日本版EAである電子政府EAモデルを取り上げて行きます。
    電子政府構築のためのEA策定ガイドラインから引用しますと、EAとは「組織全体の業務とシステムを統一的手法でモデル化し、部局ごとではなく『全体最適』の観点から業務システムを同時に顧客志向に改善していくための組織の設計・管理手法」(経済産業省)と定義しています。言い
    換えると、EAは企業と業務システムの全体構造に対して、整合性をもって設計・管理するためのシステムの見取り図というべきものです。
    EA導入の目的は、以下のように定義されています。
    ①IT投資の合理化・効率化する
    電子政府予算をより効果的、効率的に活用することであり、そのためには、現状業務の明確化とそれによる改善が必要になる。
    重複投資や無駄な行政プロセス最小化するために、18府省の中でEA開発対象となる業務を21個の共通業務システムと各府省独自の51個の個別業務システムに整理し、合理化・効率化を図ることになる。
    ②高度な行政サービスの実現する
    顧客志向へ転換することで高度な行政サービスの実現することである。国民向けのインターネットによるワンストップサービスや国民からのフィードバック意見を受けるパブリックオピニオンによるモニタリング制度が組み込まれる。
    ③統合化・合理化プロセスの提示する
    業務システムが向かうプロセスについての改革指針を提示できることである。業務システムについて、「現状から理想像に向けた軸」に沿ってその移行プロセスを決め、政策と情報技術の乖離を防ぐ。
    ④長期的な設計思想を取り入れる
    アウトソーシングなど民間活力を活用した行政サービスの実現と情報システムは長期的にWebベース技術に統合されていく観点で、セキュリティ確保が容易となる業務・システム構成を確保する。
    以上のEAの目的は「政策」を「経営」に置き換えれば、民間企業でも同様に活用できるものです。作成されたモデルを民間へリファレンスとして提供し、民間での適用することにも大きな目的があります。
    EAが業務システムを設計・管理するシステムの見取り図とすれば、その役割が定義される必要があります。
    その役割は、以下の4つが定義されています。
    ①「業務とシステム間の関係と現状の明確化」できること
    組織の業務・システム全体を「共通言語」による「統一的な手法」で記述し、組織の所有者の立場から業務・システムの全体を把握できるようにする。
    ②「現状から理想に至る活動の明確化と改善サイクルの確立」ができること
    業務・システムに関する組織全体での改善活動の道筋をつける。「アプローチの定義」→「現状モデルの作成」→「理想モデルの作成」→「次期モデルの策定」→「EAの利用」→「EAの保守」→「モニタリングとコントロール」→「管理体制とコントロールの確立」からなるEAプロセスの改善サイクルを確立することにある。
    ③「情報資産と業務との関係の明確化」が出来ること
    データ体系の明確化を行うために機能中心の業務分析でなく、データ中心の業務分析を行いシステム全体のデータ整合性を確立する。
    ④「長期的な設計思想と技術の世代管理に関する指針」が出来ること
    理想(ToBe)モデルを描いていく時点で、業務・システム自体の設計思想を明確にしていくことを求めている。今回のガイドラインでは、行政事務サービスがWebベースのシステムへ移行するという前提のもとに進められている。ポータルサイトで見受けられるように、消費者は一度入力をすれば、サービスを受け入れられる利便性のある業務設計になる必要がある。EAの設計にはこのようなOne Writing Systemの構造が組み込まれることになる。
    これらの役割を作り上げるために、ザックマンモデルが活用され、EAの機能体系が作成されました。
    第117回はここで終了します。
    今回は「電子政府プロジェクトの目的と役割」を紹介しました。
    次回は「EAのフレームワーク-全体機能」をとりあげます。

    ISMリサーチ代表 井上正和
    question@mail.ism-research.com


    (雑感)先々週、首相官邸のHPを見ていましたらe-Japan戦略後の2006年からの「IT新改革戦略」が平成18年1月19日発表になっていました。2010年までの今後の5年の戦略と施策が公開されていました。目的は「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」使えるユビキタスなネットワーク社会の実現です。U-Japan戦略が完全に取り込まれ具体的施策に展開されています。継続施策で目立ちましたのは「医療のIT改革」、「電子政府の実現強化とEAの自治体や独立法人への展開」です。
    e―Japan戦略の5年間で計画未達成の分野でしたが、徹底して推進するようです。
    詳細はここ→ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/060119gaiyou.pdf
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/060119honbun.pdf


    (注1) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
    基礎知識の集大成。
    ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適。
    こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-1.htm
    (注2)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
    こちらを参照 http://www.ism-research.com/course-1.htm
    (注3)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
    バックナンバー(無料)から入手することができます。
    こちらを参照 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
    (注4)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
    ■グローバルナレッジ(株)
    http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
    ■(株)富士ゼロックス総合教育研究所
    http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
    (注5)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
    http://www.mag2.com/m/0000118350.html

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