~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Architecture)を取り上げています。
EAは日本が最初に公的に発表したソフトエンジニアリングと思っています。昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しましたし、現在もしています。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
今日はEAメルマガの第7回です。
115回でザックマンモデルは情報システム構築には業務プロセスの体系化、データエリアの体系化、アプリケーションの体系化、技術エリアの体系化の4点が必要であると言うことを表現していると述べました。
EAのフレームワークはこのザックマンモデルをそのままEA体系を引用しています。業務プロセスの
体系であるBA(Business Architecture)は「政策・業務体系」、データエリア体系であるDA(Data Architecture)は「データ体系」、アプリケーションの体系であるAA(Application Architecture)は「適用処理体系」、技術エリアの体系TA(Technology Architecture)は「技術体系」と表現されています。
情報システム設計するときにはBA→DA→AA→TAと展開して設計書を作るというわけです。
それぞれの機能は
(1)政策・業務体系(=BA)での設計書は「業務目標の設定」と「業務機能構成の定義」を行います。業務改善目標と業務プロセス分析ですから、要件定義書に該当します。
(2)データ体系(=DA)では業務機能を遂行するための「データ」、これらの「データ間の関係の定義」の設計書を作ります。基本設計で行う「マスターデータとトランザクションデータの関係定義」になります。
(3)適用処理体系(=AA)での設計書は政策・業務体系でシステム化対象の業務システムを捉え「データ処理と業務の関係を定義」する。システム化の要件定義で作成するシステム機能とシステム機能構成図に該当する。
(4)技術体系(=TA)での設計書は業務システム要件を満たす「ITインフラの構成」を定義する。
システム化のRFPに対して提案する「IT機器やネットワーク構成、ソフトウエア構成定義」に該当します。
EAのフレームはこの4つの体系を現状(As is)モデルで定義し、業務目標に沿って将来(To be)モデルを作り上げることにあります。
私たちが通常実施している企業情報システムの構築する場合には最も体系ですが、このことの重要さはこの作業で設計書を作成していくプロセスと仕様手法を標準化したことにあります。電子政府プロジェクトで18府省が同じ設計プロセスで同じ手法を使用して作成し、RFPが業者に向けて提出されることになれば、効率的に、迅速なシステム構築、運用が可能となってきます。
政府調達のシステムの規模は日本の全IT投資の約20%といわれています。これらのシステムが標準的なプロセス、手法で作成されるとすれば日本発のソフトウエアエンジニアリングが出来上がるかもしれません。平成17年12月のJEITAの報告データ注ですが、民間でもトヨタやエーザイ等、13社がEAをシステム設計に採用しました。
(注) http://it.jeita.or.jp/infosys/committee/SOL/CEATEC2005CONFERENCE_EAguide1006.pdf
第118回はここで終了します。
今回は「EAのフレームワーク-全体機能」を紹介しました。
次回は「EAのフレームワーク-成果物と手法」でBAの成果物をとりあげます。
ISMリサーチ代表 井上正和
question@mail.ism-research.com
(雑感)今年になってから、いくつかのセミナーに出ています。代表的なセミナーのテーマは「内部統制(日本版SOX法)」、「ISO27000S」、「BCP(事業継続計画)」です。全てに共通するのは業務プロセスの見える化です。間違えた結果を生み出す業務プロセスを改善することがテーマになっています。いくつかのコンサルティング会社の実例報告で業務プロセス分析がフローチャートで記述されていました。“ユーザーの方はこの成果物を報告し、維持できるのかな?”と若干疑問に思いました。フローチャートはユーザーには分かりづらいというより、経験から分からないと言った方が良いと思っています。EAで提唱している部門別の業務流れ図(WFA)で初めて理解できる形態だろうと思います。EAは中央官庁のIT素人の方々によってもまれた産物のため、素人にいかにすればより分りやすくなるかに置かれたソフトエンジニアリングと思います。これから自治体、民間へ展開されると言うことで期待している次第です。
(注1) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
基礎知識の集大成。
ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注2)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/course-1.htm
(注3)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバー(無料)から入手することができます。
こちらを参照 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注4)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
■グローバルナレッジ(株)
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
■(株)富士ゼロックス総合教育研究所
http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
■(株)グローバルテクノ
http://isms-itc.boxerblog.com/home/2006/02/it_a4a1.html
(注5)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
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