~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Architecture)を取り上げています。
e-Japan戦略も2006年3月31日をもって終了し、今後の5年の施策として「IT新革新戦略」が実施されています。そこには、電子政府は導入の段階に入り、自治体、独立法人等へのEA展開が明記されました。
EAは日本が最初に公的に発表したソフトエンジニアリングと思っています。昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しました。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
今日はEAメルマガの第13回です。現状分析プロセスの「ファンクション分析」から始めます。
ここからの解説は単なる説明というより、事例として話をまとめていこうと思います。
DMM(Diamond Mandara Matrix)は3×3のマトリクスを用いて業務機能を分解して機能構成図を作成する手法です。9つの升目の中央に対象業務を置き、左上の升目から細分化されたサブ機能を時計回りに最大8つの升目に分解します。このレベルの機能構成図を階層0といい、階層0のサブ機能を対象業務としてDMMを用いて業務分解することで、より詳細な業務機能へと展開できます。
例えば、業務・システム最適化計画策定指針-ガイドライン(経産省)では文書管理の例を上げています。階層0の文書管理の機能構成図は中央の升目に「文書管理」を置き、サブ機能を左上の升目から時計回りに「文書受付」、「文書作成」、「決裁・供覧」、「施行・発送」、「移管」、「廃棄」、「保存期間延長」、「管理簿作成」となっています。この例でも分かりますが、サブ機能はイベントの処理順序に文書受付から廃棄まで書き、保守業務、モニタリング業務と記述するのが一般的です。機能構成図の階層1にはこれらの8つのサブ業務を対象にして、階層0と同様に最大8つのサブサブ業務へ分解します。ガイドラインでは、「決裁・供覧」を階層1の対象業務として取り上げ、この業務のサブ機能を「鑑作成」、「起案」、「決裁」、「決裁文書件名簿登録」、「文書保存」の5機能に分解しています。同様にして、階層2を作成しますと対象業務に対する最大8×8×8=512個の業務機能が定義できることになります。
このDMM手法は全く経験の無い業務機能を整理する場合に非常に有効な手段となります。この手法が最初に公的な資料として紹介されたのはITCプロセスガイドでした。その手法がEAで正式に採用されています。両方ともに設計者が松尾明先生(青山監査法人)であることに起因すると思います。私が担当しました共通業務の設計でもこの手法を最初に使用し、機能構成図を作成しました。
共通業務は18府省の業務を統一するわけですが、18府省に全てインタビューする時間は取れません。参加したプロジェクトでも機能構成図の全府省会合は1回(半日)のチャンスしかありませんでした。そのため、先行していて、より大きな業務機能を持つ府省の業務資料を下にプロトタイプの機能構成図を階層0と階層1で作成し、会合で各府省毎のグループのワークショップ形式で追加、修正を加えてもらい、最小公倍数の機能構成図(原案)を作成しました。
その後、この原案を各府省に配布し、機能として含まれていることの検証を依頼し、改定して行きました。
18府省の共通業務といっても、従来、府省間のやり取りは皆無だったわけですから、同じ処理機能
でも手段や処理手順の違いがありますし、各府省の特性が出てきます。プロトタイプアプローチを取っていくことで全府省会合から2週間で現行の機能構成図を完成しています。
このファンクション分析の意図は業務機能の体系的な整理をすることと設計担当者が業務の全容を概要理解することにあります。この機能図を作成することで、対話できる能力が付き、作業が開始できるようになります。
正直言いまして、プロトタイプを作成しないとまとまり取れなくなったでしょうし、プロトタイプも作成できない業者についてきてくれなかっただろうと思います。この後、DFD手法により業務機能を情報の流れとして把握して業務の連携を具体的にすることができることになります。
現行の業務プロセスモデルを作成していくことになります。
第124回はここで終了します。
今回は「現状分析プロセス-ファンクション分析」を取り上げました。
次回は「現状分析プロセス-業務プロセスモデル作成」をとりあげます。
ISMリサーチ代表 井上正和
question@mail.ism-research.com
(雑感)先週、4月4日の日経産業新聞にアスキー社で新事業になる研修コース「経営戦略立案
コース」の記事(19面)がかなり大きく掲載されました。
4月6,7日に研修コースのプレチェックも兼ねて、アスキー社の3事業部の研修を実施しま
した。“経営計画書がPKGで手順を追えば出来ていくのは非常に楽ですね”との評価で好評
でした。
「経営戦略立案コース」は次の2つのコースで構成されます。
●経営戦略立案-入門クラス:経営の考え方の基礎知識と手法を紹介するコース
●経営戦略立案-実践クラス:持参の経営データをもとに「ズバリ!経営戦略立案ソフト」を使用して自社経営計画の作成指導するコース
主要な対象者はアスキー社の購読企業の経営者、経営計画に関係する中堅社員です。
6月8,9日から開始になります。
アスキーさんからも今週HPを含め案内がされると思います。
コースの内容は弊社やフロンティアで紹介しているコースと同内容です。
ここです: http://www.ism-research.com/course-4.htm
(注1)「ズバリ!経営戦略立案ソフト」を開発し、発売開始しています。
経営戦略目標から部門の行動計画まで、経営者が容易に、体系的に作成できるパッケージです。
こちらです。 http://e-site-frontier.kir.jp/index-11.html
(注2) ITコーディネータガイドラインV1.0対応の「ITコーディネータ試験想定問題集」と
「ITコーディネータ試験対策コース」を開発しました。
問題集はこちらを参照 http://www.ism-research.com/book-3.htm
研修コースはこちらを参照 http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html
(注3) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
基礎知識の集大成しました。
ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適です。
こちらです。 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注4)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
こちらです。 http://www.ism-research.com/course-1.htm
(注5)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバー(無料)から入手することができます。
こちらです。 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注6)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
■グローバルナレッジ(株)
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
■(株)富士ゼロックス総合教育研究所
http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
■(株)グローバルテクノ
http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html
(注7)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
http://www.mag2.com/m/0000118350.html
