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  • 第128回「現状分析プロセス-情報体系整理図作成」

    ~ITコンサルタント養成講座~

    皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Architecture)を取り上げています。
    e-Japan戦略も2006年3月31日をもって終了し、今後の5年の施策として「IT新革新戦略」が実施されています。そこには、電子政府は導入の段階に入り、自治体、独立法人等へのEA展開が明記されました。
    EAは日本が最初に公的に発表したソフトエンジニアリングと思っています。昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しました。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
    今日はEAメルマガの第17回です。

    現状分析プロセスの最後のステップは情報モデルである「情報体系整理図」を取り上げます。このモデルは情報分析図の項で取り上げたエンティティ(ひと、もの、かね)、つまり固定情報としてのマスター項目を取り上げた「スタンディング情報」とトランザクションデータである「イベント情報」の関係を体系化した図です。最適化ガイドラインにそのイメージ図がありますので紹介します。
    体系化イメージ図URL: http://www.e-gov.go.jp/doc/060331/doc5.pdf の38ページです。
    情報体系モデル図は前回のテーマである情報分析図(EEM:Entity Event Matrix)を描くときに、DAM(Data Abstraction Matrix:情報抽象化表)という情報抽象化表を作成します。
    このDAMをもとに「情報体系整理図」を作成することになります。
    DAMとはスタンディング情報とイベント情報のデータ項目を抽象化した項目表です。従来使用しているファイル定義表のデータ項目がより抽象化された表と考えれば良いでしょう。
    今日の話はこの2点、“なぜ、情報体系整理図を作成するのか”と“DAMはなぜ必要か”について述べてみます。
    “なぜ、情報体系整理図を作成するのか”から始めましょう。表記法はUMLを用いています。UMLでデータベースを体系化する利点はスーパークラス(上位データベース)の考え方です。共通項目を上位概念のクラス(データベース)として置いてデータベースの体系化が出来ることでデータベース体系的な“見える化”を図表化することが出来ます。
    よく引用されますのが、動物という抽象概念と犬、猫、人間、鯨などの個々の動物との関係です。個々の動物に共通している事項には、口、目、鼻、足や動く、しゃべる、食べる等の属性があります。一方、共通化できない属性もあります。しかし、動物のグループとして一括りに出来ます。「動物」というスーパークラスのもとに「犬」、「猫」、「人間」、「鯨」等が関係付けられ体系化できます。
    IT設計に置き換えてみましょう、ガイドラインのイメージ図では「研修情報」がスーパークラスで定義
    され、「受講申込」、「受講記録」、「テスト結果」が「研修情報」の下位のデータグループであるサブクラスとして構成されています。サブクラスの共通属性は受講生、研修場所、研修クラス、研修時間などの共通属性があり、スーパークラスの「研修情報」に組み込まれグループ化されています。さらに、この「研修情報」クラスはスーパークラス「人事活動情報」の1つのサブクラスとして体系化されています。まさに、データベースの“見える化”です。
    次に、“DAMはなぜ必要か”に話を移しましょう。情報体系図にまとめられるエンティティやイベントのデータ項目は抽象化された項目名を定義することを言っています。この意味は、1システムの設計をするときには問題にならないのですが、今回の電子政府で複数の府省に跨る共通業務システムを扱い時には現状調査時にも必須になります。例えば、物品調達業務の調達計画の承認者を捉えてみましょう。各府省のシステムは独自で設計されていますので、業務としては同じでも承認者が同じ課長でもファイルのフィールド名称はそれぞれ異なり、担当承認、課長承認などさまざまです。基本的にフィールド名は“承認者”だけで良いはずです。DAMで同業務での各府省のデータ項目の抽象化をすることで複数の府省でのヒアリングが可能になりますし現行体系としての「情報体系整理図」の作成が可能になります。
    また、業務プロセスを見てもこの承認者と言うフィールド名はまったく別々に設計されています。計画承認者、調達承認者、支払い承認者など雑多です。このDAM化は業務プロセスの抽象化ですので、EEMを通して作成することになります。この現行体系でのプロセスの抽象化は実際には行いません。将来体系のデータ体系として設計するときに作成されます。現行体系では現行業務の課題が見える程度で十分であるということでしょう。
    第128回はここで終了します。
    今回は「現状分析プロセス-情報体系整理図」を取り上げました。
    次回は「見直し方針プロセス-見直し方針全体フロー」をとりあげます。

    ISMリサーチ代表 井上正和
    question@mail.ism-research.com


    (雑感)今週の土曜日(5/13)にITC多摩で「ズバリ!経営戦略立案ソフトのご紹介」というテーマで講演をやることになっています。ITCの佐伯氏とこのソフトを開発した意図をご紹介しておこうと思います。このソフトはITCプロセスに則ってはいますが、簡略版になっています。ITCプロセスが今回改訂されましたが、なお難しいと思います。
    というのは、教科書としてはやむを得ないのでしょうが、このプロセスはトヨタや松下のプロジェクトで実践しても可能なダイアモンドのように盛りだくさんな戦略策定プロセスになっているからです。中小・中堅企業、大手でもその事業部にとってはこのようなプロセスは必要ありませんし、難しいメソドロジー用語も不要です。ITCプロセスは踏まえるが、一般に馴れ親しんだ用語で必要最小の戦略策定プロセスを抜粋することで誰でも最新の経営戦略を正統な
    手順で事業計画を作成できるソフトを作ることでした。皆様方にも、ITCプロセスはすばらしいものですので、得意分野を活かしたより易しく活用できるツールや手法を作り出していただければと思う次第です。


    (注1)「ズバリ!経営戦略立案ソフト」を開発し、発売開始しています。
    経営戦略目標から部門の行動計画まで、経営者が容易に、体系的に作成できる
    パッケージです。
    こちらです。 http://e-site-frontier.kir.jp/index-11.html
    (注2) ITコーディネータガイドラインV1.0対応の「ITコーディネータ試験想定問題
    集」と「ITコーディネータ試験対策コース」を開発しました。
    問題集はこちらを参照 http://www.ism-research.com/book-3.htm
    研修コースはこちらを参照 http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html
    (注3) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編
    メルマガの基礎知識の集大成をしました。
    ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適です。
    こちらです。 http://www.ism-research.com/book-1.htm
    (注4)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な
    価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
    こちらです。 http://www.ism-research.com/course-1.htm
    (注5)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
    バックナンバー(無料)から入手することができます。
    こちらです。 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
    (注6)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
    ●株式会社 アスキー
    http://ascii-business.com/abiz/itseminar/
    ●グローバルナレッジ(株)
    http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
    ●(株)富士ゼロックス総合教育研究所
    http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
    ●(株)グローバルテクノ
    http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html

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