~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Architecture)を取り上げています。
e-Japan戦略も2006年3月31日をもって終了し、今後の5年の施策として「IT新革新戦略」が実施されています。そこには、電子政府は導入の段階に入り、自治体、独立法人等へのEA展開が明記されました。
EAは日本が最初に公的に発表したソフトエンジニアリングと思っています。昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しました。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
今日はEAメルマガの第19回です。
EAでの「業務環境分析・主要課題抽出」というのは、ITCプロセスでのSWOT分析によるCSF策定の作業と手順は同じです。違いは「SWOT要因の捉え方」と「CSF抽出の方法」が異なります。
その1つの「SWOT要因の捉え方」は、EAの検討対象は業務プロセスですので、業務プロセスを中心に置いたSWOT分析になります。業務機能や業務プロセスとしての強み/弱み要因、この機能やプロセスに影響を与える機会/脅威要因という捉え方をすることです。
一般に企業環境で行う場合は、機会/脅威要因は外的要因でPEST(政治、経済、社会、技術)要因と同業他社要因になるのですが、EAでは業務プロセスが対象ですので、この業務機能やプロセスに影響を与えるこのプロセス外の要因が全て外部要因となってきます。また、強み/弱み要因は対競合企業を目標において経営資源や経営機能の強さ/弱さ要因を発想していくのですが、業務プロセスに対する強み/弱みでは対象とする業務はありません。
そのために、EAの目標である最適化に焦点を当てて目標を設定することになります。この目標に対して強み/弱み要因を発想していくことになります。この目標には業務最適化に対する共通の目標として「予算効率性の高い簡素な政府の実現」と「業務効率化・合理化、利便性の維持・向上、安全性・信頼性の確保及び経費削減」があります。
「予算効率性の高い簡素な政府の実現」とは費用対効果を向上させることで、共通業務などがより強い対象となり、最適化目標として掲げられることになります。つまり、18府省で実施している物品購入業務、交通費等の経費処理としての官房業務など共通業務は各業務に、もし1億円の運用費がそれぞれの府省で計上されており、システムの一元化・集中化を行い3億円で賄えることになる、と15億円の削減になります。この数値が目標値となり、システムの一元化・集中化が目標となるわけです。日経コンピュータ(2006/4/17)にEAの記事が出ています。
“全省庁の業務・システム最適化計画が出揃い、90弱のシステムがこれから調達、開発フェーズに突入します。今後の5年間以内に順次運用開始され、5年間合計で1244億円のシステム運用費の削減と年間の業務処理時間の短縮607万人日を見込んでいます。”このことが予算効率性です。
もう1つの「業務効率化・合理化、利便性の維持・向上、安全性・信頼性の確保及び経費削減」とは、多くのことを含んでいますが、もっとも大きな観点は今年のIT新改革戦略にあるユビキタス環境の実現です。国民が“いつでも、どこでも、だれとでも”コミュニケーションが出来る利便性の環境の実現です。この考え方に基づいて、国民に対するサービスの接点は出来るだけインターネットによるサービスを提供する環境の実現が進められています。ヤフーや楽天のように検索自由で何か購入したり、依頼するときにはユーザーは必要情報を1度入力するだけでその要求された処理を完結する「One Writing System」が基本となっています。国民との接点がインターネットになると安全性・信頼性がクローズアップされてきます。この対策として内閣官房情報セキュリティセンター(NISC;National Information Security Center)を立ち上げ対策が講じられつつあります。
URLはここです。⇒http://www.bits.go.jp/
「業務環境分析・主要課題抽出」の作業で一般の企業での方法と異なるもう1つは、CSFの抽出方法です。このテーマは次回に譲ります。
第130回はここで終了します。
今回は「見直し方針プロセス-業務環境分析・主要課題抽出その1」を取り上げました。
次回は「見直し方針プロセス-業務環境分析・主要課題抽出その2」をとりあげます。
ISMリサーチ代表 井上正和
question@mail.ism-research.com
(雑感)先週、埼玉ITCと埼玉商工会議所協賛で講演する機会がありまして、「IT経営における経営戦略策定の留意点」というテーマで話す機会がありました。話のポイントはITCプロセス(私はどんな企業サイズにも適用できるためにダイアモンドプロセスと言っています。)が従来のコンサルタントとの差別化を作り上げた。このプロセスは大企業にも十分適用できるようになっているので、中小・中堅企業ではそれに対応した簡略化が必要になります。という主旨でメルマガで話しているようなポイントを例に挙げて話しました。非常に好評で、「ズバリ!経営戦略立案ソフト」や「経営戦略立案コース」(アスキー)に関しても多くの質問も出ました。勉強されたら、ライセンスなど不要ですので、どんどん研修を兼ねて3年経営ビジョンと事業計画のコンサルに進んでいただければと応えておきました。
(注1)「ズバリ!経営戦略立案ソフト」を開発し、発売開始しています。
経営戦略目標から部門の行動計画まで、経営者が容易に、体系的に作成できる
パッケージです。
こちらです。 http://e-site-frontier.kir.jp/index-11.html
(注2) ITコーディネータガイドラインV1.0対応の「ITコーディネータ試験想定問題
集」と「ITコーディネータ試験対策コース」を開発しました。
問題集はこちらを参照 http://www.ism-research.com/book-3.htm
研修コースはこちらを参照 http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html
(注3) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編
メルマガの基礎知識の集大成をしました。
ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適です。
こちらです。 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注4)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な
価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
こちらです。 http://www.ism-research.com/course-1.htm
(注5)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバー(無料)から入手することができます。
こちらです。 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注6)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
●株式会社 アスキー
http://ascii-business.com/abiz/itseminar/
●グローバルナレッジ(株)
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
●(株)富士ゼロックス総合教育研究所
http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
●(株)グローバルテクノ
http://www.gtc.co.jp/semn/isc/itc.html
(注7)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
こちらです。⇒ http://www.mag2.com/m/0000118350.html
