~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、こんにちは! 当メルマガを担当しています井上正和です。112回からは、このメルマガでEA(Enterprise Archtecture)を取り上げています。
昨年から、電子政府の業務・システム最適化計画のプロジェクトに参加している中で、EAが難しいという意見をよく聞きました。小職も実際の成果物を作る中でかなり苦労しましたし、現在もしています。出版物も多く見受けますが、“帯に短し、襷に長し”の感があります。自分なりにもう少し、わかり易く解説できないものかとの疑問がありました。昨年、私のコースの受講生の方からEAのメルマガをやってくれませんかと要望があり、トライしてみようと思いました。
今日はEAメルマガの第2回です。
最初に、電子政府の業務システムの構築と維持の構造から、EAの考え方を捉えてみましょう。
この電子政府プロジェクトが発足するとき、業務を最適化して効率的に稼動させることが目的の1つにありましたが、それ以上に業務システム開発とその運用維持を最短に最小費用で達成することを目的としてあげられていました。
今までは経産省、総理府等18ある各府省の情報システムは個別に構築されていました。また、業務の設計はITメーカー任せで専門家がいない状態でしたから、開発・運用改善などはメーカーの言いなりの提案価格で実施せざるを得ない状態だったし、予算が無ければIT化は
停滞するしかありませんでした。この状態を解消して効率的な業務システムを策定するためには、政府自身で業務要件書を作成しITメーカーにRFPの提出を求め、システムを構築するスキルが必要になります。皆さん方も販売システム構築を手がけるときに、同じ業態であれば以前構築したシステムの流用やパッケージを考えるでしょう。この考え方をそのまま流用することで電子政府システム構築を効率的にしようと考えました。言うは易くですが、そのためには誰でも理解できる標準的な設計コンセプト/設計プロセス/設計手法/記述様式/記述手法/コンポネント(開発部品)等の標準モデルが必要です。また、ITの専門家がいませんのでその構築支援を指導してくれる人材の採用が必要となります。この人材が各府省に民間企業から採用されたCIO補佐官です。
日本の電子政府システム構築の標準モデルとなったのはザックマンモデルを具現化し、設計モデルとしていた米国連邦政府のFEA(Federal Enterprise Architecture)モデルです。
米国連邦政府のFEAの基本的プロセスは踏襲しましたが、設計プロセスや手法等は日本の特性に合わせて改善を加え、ITアソシエイト協議会中間報告で「エンタープライズアーキテクチャ」注1(2002年12月)発表され、2003年12月に設計ガイドとしての「EA策定ガイドライン」注2が策定され、2005年2月2日に「業務・システム最適化計画策定指針」(ガイドライン)注3の最新版が公開されました。
参照URL:(注1) http://www.meti.go.jp/feedback/downloadfiles/i21227mj.pdf
(注2) http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ea/data/report/index2.html
(注3) http://www.e-gov.go.jp/doc/20050202doc.pdf
電子政府システムの構築手順は既存の府省システムをEAフレームで設計し、この府省モデルを参照モデルとし、新府省業務に適用して構築のスピード化、標準化を図ることになりました。そのために、政府の業務を分析注4され18府省で共通システム化できそうな21個の共通業務システムと各府省で独自に構築しなければならない51個の個別業務システムがあることが分かりました。参照モデル作りとして、共通業務システムから「物品調達業務」、「人事給与業務」、「共済業務」等の数個の業務を最初のプロジェクトとして、2003年に発足しました。
参照URL:(注4) http://www.e-gov.go.jp/doc/sentei.html
第113回はここで終了します。
今回は「電子政府システム構築・維持スキーム」として、電子政府の構築背景と考え方を紹介しました。
次回は「EA出現の背景」をとりあげます。
ISMリサーチ代表 井上正和
question@mail.ism-research.com
(雑感) ITCについての私の意見です。私のお付き合いしている方の中で、私に同意してくれる方も多いのですが、“ITCは中小企業の支援をするといった前提概念で仕事をしていると、まともな仕事にならないのではないか”と思っています。中小企業ではITCプロセスのようなプロセスは冗長だし、ITで経営を変革するより市場ドメインや経営ビジョンに中心があるように思います。どちらかと言うと、ITCは中堅企業に重点を置くべきであると思っています。大企業は自身でやれるだけの人材と要員を有していますが、中堅企業はその確保に厳しいものがあります。ITによる経営スピードを上げる要望も多い。ITCは中堅企業に重点を置いた方が、お客様とより多くのWin-Winの関係を構築できると思っています。
皆さん、どう思われますか?
(注1) 「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を整理したメルマガ本で、この応用編メルマガの
基礎知識の集大成。
ISMリサーチが絵入り解説で提供していますので、まとめには最適。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/book-1.htm
(注2)「経営戦略」、「情報戦略」のオンサイト研修を実施しています。適正な価格で、カスタマイズした実践的コースを提供します。
こちらを参照 http://www.ism-research.com/course-1.htm
(注3)「経営戦略」、「情報戦略」の基礎知識を今までのメルマガのマグマグの
バックナンバー(無料)から入手することができます。
こちらを参照 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000118350
(注4)小職が実施している主な研修機関の研修コースは以下の通りです。
■グローバルナレッジ(株)
http://www.globalknowledge.co.jp/reference/Reference.asp?KBN=1&DCODE=29&SCODE=170
■(株)富士ゼロックス総合教育研究所
http://www.itc-pro.com/multi/index.html#it_training
(注5)メルマガの配信停止は次のURLをご参照ください。
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