~ITコンサルタント養成講座~
皆さん、おはようございます! 当メルマガを担当しています井上正和です。
266回からは、「業務プロセスの見える化環境」を取り上げます。
皆さんもご覧になったかもしれませんが、2008年12月の日経コンピュータには
こんなデータが掲載されていました。
プロジェクトのマネジメント要件はQ(Quality)、C(Cost)、D(Delivery)と言われて
いますが、このすべての要件を遵守できたプロジェクトは3.8%、納期順守率だけを
見ますと19.06%。この調査対象ITプロジェクトは5億円以上のれっきとした
大型プロジェクト、エンタープライズシステムでした。
その原因は“要件定義の品質の悪さ” 。つまり、設計の見える化が出来ていないことにあります。
このメルマガでは、エンタープライズシステム構築における“見える化設計”を
念頭に置いて経験を踏まえて話してみようと思います。
皆様とのメルマガ討論もできればと思います。
今日は「見える化設計」メルマガの第12回です。 「構造化設計と業務プロセスの見える化設計」
を取り上げます。
以前と言っても、1980年代になりますのでずいぶん古い話になりますが、“構造化設計”という
設計概念がIBMより発表され一大ブームになったことがありました。業務のコンピューター化を
プログラム設計からシステム設計へと変えた概念です。その中に、業務プロセスの設計プロセス
が記述されています。
現在の「業務プロセスの見える化」にかなり影響を与える概念ですので、紹介しておきます。
あるべきシステムを設計する設計プロセスは4つのモデルの構築ステップを踏むことが
述べられています。
その構築ステップは「現物理モデルの作成」、「現論理モデルの作成」、「新論理モデルの作成」、
そして「新物理モデルの作成」の4つのモデルの構築です。
それぞれのモデルの意味は、
1.「現物理モデルの作成」:現物理とは、対象業務プロセスに関わる物理的特性、
つまり「組織」、「場所」、「現行業務サイクルやタイミング」等をいいます。現行業務を
ありのままの状態でDFD(Data Flow Diagram)記述することを言っています。
2.「現論理モデルの作成」:対象業務の現物理モデルから物理的特性を除去し、“業務機能に
とって本当に必要なデータフローは何か“の観点でDFDを再整理・統合し、論理的に現行
業務プロセスのあるべきプロセスを記述したモデルです。
一般的なシステム提案は、現行業務の課題を抽出し、課題解決を図っていく提案になって
いますので、このモデル設計に近い提案になります。
現行業務プロセスの見える化設計はこの段階までの設計に相当します。
次のステップのモデルは様子が変わってきます。
3.「新論理モデルの作成」:現論理モデルができた段階で「システム化要件を反映させた
DFDモデルを作成するステップになっています。現在のエンタープライズシステム設計で言えば、
現行業務プロセスの見える化設計が出来て初めて経営戦略に沿った経営判断情報を組み込んだ
モデル設計が出来るといっていることになります。
最後に、
4.「新物理モデルの作成」:「新論理モデル」は情報伝達においては理想系なのですが、現実には
組織や場所といった物理的要件が加わり、2重化やタイミング等のズレ等も反映してDFDモデルを
作成することになります。
この新物理モデルに基づいて新システムの設計仕様が出来上がる。
という設計概念です。
30年ほど前の設計概念ですが、現在のエンタープライズシステム設計の基礎概念ではないかと
思ってしまいます。
この概念の上で、最近の設計概念やメソドロジーを見ていくと位置づけがはっきりしてくると思います。
今回はここで終わります。
次回は「戦略情報とエンタープライズシステム情報」をテーマにしようと思います。
(雑感)先週、BPM(Business Process Management)セミナーに出席して、新しい言葉を耳に
しました。“CPO(Chief Process Officer)”、ご存知でしたか?私ははじめて聞きました。
ただ、欧米では当たり前の言葉になっているようです。CPOのミッションは、ITインフラに加えビ
ジネスプロセスの改革・管理にも責任を持つということです。今までのCIOがITインフラ改革・管理
の重点を置くイメージが強いために新しく作られた言葉ということです。Processが前面に出ています。
経営戦略に沿ったビジネスプロセスを支援するエンタープライズシステムとしてのプロセス改革が
最大の責務のようです。
“可視化されたプロセス”がキーメッセージのようです。
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